30歳直前で無職になる。

激務にセクハラに社内ニートに何もかもから逃げ果せた今、自分がどうなってしまったのか、どこに向かっているのか、真剣に向き合ってみます。

心療内科受診で体調悪化

心の平穏が一番だと思ってずっと過ごしてきた。

緊張と緩和のバランスがよく取れていると思っていた最中、

それがある時突然音を立てることなく大きく崩れ、

どう足掻いても這い上がれないどん底にいるような、

もう自分の手には負えないと追い込まれるような体験をした。

 

だから心療内科を頼った。

また平穏を取り戻したい一心で。

 

この半年間、気分の上がり下がりはあったものの、

処方された薬で睡眠がよくとれ、趣味をもって休息し、

少しずつ少しずつ前向きになっていく自分を自覚していた。

 

それでも、嫌なことや我慢していることがあるのが当然。

(あんなことがあって)呼吸がしづらくなった。

(こんなものを見て)吐き気がした。

(あんな風に嫌なことを言われて)眩暈がした。

そんな中で点々と作った平穏を細い線で繋いで、自分の回復傾向を喜んでいた。

 

そして今日の3週間ぶりの受診、その平穏が崩れた。

主治医からのデートの誘いだ。

ちゃぶ台をひっくり返すような一瞬の驚きのようなものじゃあない。

置き場の決まった文房具や本、お気に入りの置き物や綺麗なキャンドル、

練習してうまく淹れれるようになったコーヒーの入ったカップ

それらがのるテーブルの上を、指の先から肘までを寝かせてゆっくりと

端から端へものを薙ぎ倒しながらごちゃ混ぜにしながら、

全部が汚いものであったかのようにボトボトと床へと落とされるような気分だった。

 

 

 どんな将来を見据えているの。

 僕は独身なんだけどさ。

 彼氏とか好きな人はいないの。

 最初のあの話で撃ち抜かれてさ。

 もっと話が聞きたい。

 他の患者はぐちぐちと言っていくだけだけど、

 あなたはいつも前向きでどこか違っている。

 

私は診療だと思っているから、聞かれたことに答えているだけ。

病院の先生は友達のように込み入った愚痴を聞いてくれる人ではなく、

嫌なことは聞かれない限りは具体的な内容を避け、次回受診までの期間の自分を俯瞰し、

感情や身体に現れる症状の話をするものだと思っていた。

 

口腔カンジダ症の再発で免疫力低下の自覚。

また広がり始めた円形脱毛症からは新しい毛は生えてこない。

今でも夢で見たりふとした瞬間に鮮明に思い出す元上司からのセクハラへの嫌悪感。

春退職以降から仕事も勉強もしていないという不甲斐なさ。

連絡を絶ったうつ病の友人からのインスタの実質監視を望むメッセージによる絶望感。

 

いろんなものがせめぎ合う中でも一つ一つと向き合いながら、

少しずづ自分のペースで解決していこうと前向きになっていた矢先だった。

 

 

いったいいくつ上かもわからない医者から、

ジリジリと追い込むように近付くような誘い方をされ、

更には無職で暇を持て余していることを知られている私は、

この突如跳ね上がった嫌悪感をどのように「お断り」に乗せられるだろうか。

 

 

診察時間は30分。

診療自体は、この3週間が好調だったこともあり10分程度で終わっていたと思う。

5分ほどでこれまでの診療で伝えてきた、私の気分転換方法について突っ込んで話が進み、

残り15分というところで事件が発生したのだ。

「早く終われ早く終われ」「逃げたい逃げたい逃げたい」と何度も心の中で叫び、

一方で冷静に「どうやって遠ざけるか」「別の病院へ行こうか」などと考えていた。

マスクなんてなければ、言葉にせずともあからさまな苦笑いを見せられ、

この場で解決できていたかもしれないというのに、コロナが本当に恨めしい。

 

 

 

さて、こんなに嫌だ嫌だと書いてはいるが、こんなことも考えている。

医者は前向きな考えを並べるようになった私がもう社会復帰できると考え、

ぼちぼち通院を終わらせるために、自ら嫌われ役となってこんなことを言ったのでは、と。

だとすれば、次回の診療は適当な理由でキャンセルし、通院をやめてもいいだろうか。

正直、不眠については改善されていないのは不安なところではあるが、

血液検査や心電図で問題ないと診断されたなら、まだまだ自分で模索できる。

 

大きな問題は、自宅から病院までがすぐ近所で、

あの診療室からは、私がよく行くコンビニが見えるということ。

本当に好意があって誘われていた場合、あのコンビニは監視されているような気分になれば、

鉢合わせの大事故を引き起こしかねず、少し離れたコンビニを利用するということになる。

 

 

こんなこと、友だちのいない私が誰に相談したらいいというのか。

父に話してみてもいいのだろうか。

自分だけで解決しなければならないだろうか。

もう本当に本当に本当に心の平穏を渇望するばかりだ。